「バドミントンの指導を仕事にする」が難しい状況、放置すべからず

こんにちは!

バドミントン情報を届けるブログ「バドミントン・アーカイブ」の管理人、スカラー(@badminton_crow)です。

いまの日本において「バドミントンの指導を本業の仕事にして、4人家族を養っていく」ということは、おそらくとても難しいでしょう。

しかし、このことは日本のバドミントン界にとって大きな損失になっている。それなのに、この損失に誰も気づいていない。もしくは気づいていたとしても声を上げていない。だからこの記事で声を上げようと思う。

問題の所在

たとえばテニスとかだと「現役プレーヤー引退後は、指導者の道へ」って人も少なからず存在するみたいなのよね。

でもバドミントンだと、なかなかそういう道は確立されていない。現実的な選択肢としては「学校の教員」になるぐらいじゃないかな。

これって冷静に考えてみると、バドミントン業界的にものすごい損失だと思うの。

だって、バドミントンを教えられる人も「指導者の道」が確立されていないと、まったく違う分野の仕事に就くわけじゃないですか。保険の営業やったり、トラックの運転手やったりしてる。

別にそういう仕事につくのが悪いって意味じゃないんだけど、バドミントン界にとってそれは「あるべき姿」と言えますか?って問題意識を、私はずーーーっと持っていた。

人生の大部分をかけてバドミントンに打ち込んできた人が、そこで得たものをどこにも還元せずにバドミントン業界から去っていく構造は、バドミントン界にとって望ましいといえるだろうか? いや、言えない(反語)

「指導者を仕事にする」って、何が難しいのか

バドミントンの「指導者の道」が確立されていない理由は大きくわけて2つあると思っていて、そのうちの1つとして「集客の難しさ」を挙げることができる。

もう1つの難しさは「報酬単価の低さ」を挙げておこうと思う。

集客

「バドミントンの指導者で生計を立てる」が難しい理由のなかで、断トツのナンバーワンは「集客」だと思う。

一個人が、生計を立てていけるレベルまで「指導を受けたい人」を集めてくるのはなかなか大変です。

「オリンピックのメダリスト」とか「元全日本総合チャンピオン」とか、誰もが知っているような実績を持っている人ですら、コンスタントにお客さんを集めるのは難しいんじゃないかな。

「集客」の能力は、バドミントンのプレースキルや、バドミントンの指導スキルとはまったく別の問題。

このハードルの高さがネックとなって、指導者への道を選ばない人も少なくないと思う。

報酬単価

「バドミントン業界全体として、指導に対する報酬単価が低すぎる」というのも問題として根深いんですよね。

指導者として生計を立てることを考えたとき、4人家族を養うレベルの所得を手にするために、年収720万円が必要だと仮定しよう(税金、保険料、年金、消費税などをすべて合わせた金額)。

個人事業主(自営業)に「ボーナス」なんてものはないので、単純計算で月収60万円が必要となる。

1ヶ月あたり20日働くとすると、月収60万円に到達するためには、1日あたり30,000円をゲットできなきゃいけない。

さて、1日8時間で1日30,000円を確保しようと思ったら、時給換算で4,000円ほどが必要になってくる。

もちろんこれは「所得」なので、その4,000円に加えて、交通費などの諸経費を指導報酬に上乗せしなきゃいけない。

いまの日本のバドミントン界において、レッスン1時間あたり5,000円も払う慣習が根付いているでしょうか? そのぐらいの金額を果たして払っているでしょうか?

ちなみに個人事業主(フリーランス)にはサラリーマンと違って「退職金」なんてものがないからね(iDeCoとか小規模企業共済制度とかはあるけど)。フリーランスは現役のうちに、稼げる時期に、稼いどかなきゃいけないのよ。

では、どうすればいいか

  • 集客が難しい
  • 報酬単価が低すぎる

この中で集客の問題を打開するためには「看板を借りる」のが一番いいと感じています。特に実績のない人ほど看板を借りるべき。

満足度がモノを言うリピーター客と違って、初見の新規顧客の立場からすると無名な個人にレッスンを依頼するのはなかなか心理的ハードルが高い。そういうときは大手のブランドの力を借りるのが一番手っ取り早い。

たとえば、体育館などの施設が主催しているバドミントンスクールの登録コーチになるのも1つの手。

それから先日公開された「バドミントンコーチ」のようなサイトに登録しておけば、仕事が増えてくるかもしれない。

【朗報】「バドミントンコーチ」というサイトで指導者が探せるようになる件【個人レッスンも、外部コーチも可】

このサイトのおかげで、引退後セカンドキャリアとして指導者という選択肢が現実味を帯びてくると、バドミントン界的なメリットは計り知れないものとなるでしょう。

報酬単価に関して言うならば、指導者が自分を安売りしないことが重要でしょうね。

小括

  1. 指導者を志すなら、集客をするために「看板」を借りよう
  2. レッスンを受ける人達は、適切な報酬を払うようにしよう

それでは、今回はこのへんで。

2 COMMENTS

アバター 高橋 清治

スカラーさん、初めまして。「バドミントンの指導を仕事にする」を読んで僕も同感です。私は京都の高校で保健体育(出身は日本体育大学です)の教員としてバドミントンを教えていました。退職後、2年前からコーチがしたくて無職でいました。今年、大阪市の中学で部活動指導員の採用があり、100人以上が非常勤公務員として働いています(私の行っている中学では吹奏楽・ソフトテニス・陸上で指導者は大学生か退職後の方)。ただ、各中学校長からのオファーされての採用なので、学校は選べません。金銭面では時給2500円で年間契約で月60時間(年間720時間限度)と実質の交通費です(まあ月15万円ほどです)。20歳からコーチを始め、バドミントンのコーチがしたくて教員になったのですが、中々バドミントンのコーチだけでは家族を養えないのが現状だと思います。やはりテニスや卓球と違い、バドミントンのコーチは無料の「ボランティア」や交通費程度の寸志を渡すことぐらいの概念がないのが残念です。早くプロのコーチとしてせめて時給が5000円程度になる世の中になればいいなと思っています。今後もバドミントンに関する面白いコラムを期待しています。ありがとうございました。                                                                                                                                           

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スカラー スカラー

>高橋清治 さん
はじめまして。コメントありがとうございます!!

大阪市では部活動指導員の採用があるそうですね。わたしの知り合いも1名そちらでがんばっているようです。行政があと押ししてもなお時給2,500円ということは、本当に「対価を支払う」という文化が根付いていない世界なのだろうと感じます。講習会などに講師として行っても「お車代」として数千円受け取れる程度ですし、ショップやメーカーなどが販促を兼ねて無料で講習会をやっていたりするのも一因なのかもしれなせん。最近は子供の習い事としての地位も徐々に上がってきており、そちらに関してはかなり可能性を感じています。

また、バドミントンのコーチをやるならバドミントンコーチというサイトが立ち上がっており、個人的にはものすごく期待しています。

こうして発信したものに対してコメントをくださると、同じ問題意識を持っている人がいたり、キチンと誰かに届いているんだなという実感が持てたりするのでとても嬉しいです。引き続き発信がんばりますね!ありがとうございました。

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