バドミントンの公認コーチ資格について、有資格者が解説する

こんにちは!

バドミントン情報を届けるブログ「バドミントン・アーカイブ」の管理人スカラー(@badminton_crow)です。

実は、バドミントンのコーチにも「日本スポーツ協会」「日本バドミントン協会」がお墨付きを与えた公認の資格があることをご存知でしょうか。 バドミントンに限らず、他のスポーツにも同じように公認の指導者の資格がある。

この資格は、バドミントンの指導に携わる人ならぜひ取っておくべき資格であるにも関わらず、インターネット上にわかりやすく情報がまとまっているとは言いづらい状況です。

そこでこのページでは、日本スポーツ協会と日本バドミントン協会の公認スポーツ指導者資格(コーチ2)を有するわたしが、体験談も交えながら資格についてまとめようと思う。

公認スポーツ指導者ってなに?

バドミントンのコーチ(指導者)の公認資格の正式名称は「公認スポーツ指導者」であり、日本スポーツ協会と日本バドミントン協会がお墨付きを与えた(すなわち公認の)指導者資格だ。

以前は「公認指導員」「公認コーチ」などといった名称が使われていたけれど、2019年4月から以下の名称に変更されている。

旧名称新名称
指導員(4級)コーチ1
上級指導員(3級)コーチ2
コーチ(2級)コーチ3
上級コーチ(1級)コーチ4

すべての指導者がオリンピック選手を育成しなければならないわけではない。こういうのは分業だ。 初心者を教える指導者にはそれに応じた資格があるし、都道府県の代表選手を教える指導者にはそれに応じた資格がある。

資格対象
コーチ1地域のクラブチーム
コーチ2地域のクラブチーム、およびそのマネジメント
コーチ3都道府県代表レベル
コーチ4ナショナルチームレベル

大雑把に言えばこんな感じ。求められる役割を詳しく知りたい人は以下を参照するといいでしょう。

>参考:公認スポーツ指導者概要|JSPO

原則として、まだ公認スポーツ指導者の資格を持っていない人は「コーチ1」の養成講習会の受講からはじめなければならない。

また、上位の資格を取るためには下位の資格を持っていることが必要となる。つまり「コーチ2」を受講するためには「コーチ1」の資格が必要であり、「コーチ3」を受講するためには「コーチ2」の資格が必要であり、「コーチ4」を受講するためには「コーチ3」の資格が必要である。ということになる。

ただし、選手や指導者として実績のある人は、「コーチ1」からではなく「コーチ2」や「コーチ3」からいきなりスタートすることも可能である。例として「コーチ3」の受講条件を見てみよう。

受講条件 次の項目のいずれかに該当しているものとする。

①コーチ 2(現上級指導員)の有資格者で、本会が認める者

②受講年度の 4 月 1 日現在満 20 歳以上で、本会第 1 種大会ベスト 32 以上の競技成績を持つ者若しくは第 1 種大会ベスト 32 以上の競技成績を持つ選手を直接指導した実績のある者で、本会 3 級以上の公認審判員有資格者

引用元:2019年度コーチ 3(現公認コーチ)養成講習会受講申込みについて

上の引用文を見れば明らかなように、1種大会(すなわち全小、全中、インターハイ、インカレ、全日本社会人、全日本シニア…といった全国規模の大会)でベスト32以上の成績を残したことがある人は、いきなり飛び級で「コーチ3」を受講することができる。

また自身に実績がなくとも、そういう選手を直接指導した実績があれば、同様にいきなり飛び級で「コーチ3」を受講することができる。「コーチ1」「コーチ2」を受講する必要はないってことだ。

なにを学ぶの?

バドミントンの公認スポーツ指導者資格を取るためのカリキュラムは、共通科目と、専門科目の2つに分かれている。

  • 共通科目:競技の種類にかかわらず、受講しなければならない科目
  • 専門科目:競技の種類に応じた指導論を、深く学ぶ科目

共通科目に関しては、『公認スポーツ指導者養成テキスト』というテキストを使っての受講となる。日本スポーツ協会が出している本で、なかなか読み応えがある!

スポーツ医学、心理学、トレーニング論など、バドミントン以外の競技にも共通する内容を学ぶ。ジャンルは多岐にわたるので、学んでいてワクワクすること間違いなし。あなたの知的好奇心も、きっとくすぐられるだろう。

著者撮影

共通科目で受講する内容は、日本スポーツ協会がPDFでまとめてくれているので、そちらを参照のこと(※平成26年のものなので少し古いことに注意してほしい)。

また、専門科目に関しては、バドミントン コーチ1の場合『バドミントンの指導理論I』というテキストを主に使っての受講となる。

著者撮影

日本バドミントン指導者連盟が出している本で、2005年に初版が、2008年に第2版が出ている。ちょっと小難しい図解とかもあるけれど、自分のプレーに重ね合わせて受講すれば、難しく感じることはないだろう。

どうすれば資格を取れるの?

公認スポーツ指導者資格を取るためには、3つのステップを踏めばよい。

  1. 養成講習会に申し込む
  2. 養成講習会を受講する
  3. 試験に合格する

たったこの3ステップだけ。

まずは養成講習会に申し込もう。そして養成講習会に参加して、講義を受けることとなる。そこで教わった内容がそのまま試験に出る…といった流れだ。

ただしその養成講習会は、いつでもどこでも開催されているわけではないことに注意してほしい。

養成講習会はどこでやってる?

養成講習会は資格によって主催者が違うため、あなたが「コーチ1」「コーチ2」を受講するのか「コーチ3」「コーチ4」を受講するのかによって話が変わってくる。

養成講習会主催
コーチ1都道府県のスポーツ協会と、都道府県のバドミントン協会
コーチ2都道府県のスポーツ協会と、都道府県のバドミントン協会
コーチ3日本スポーツ協会と、日本バドミントン協会
コーチ4日本スポーツ協会と、日本バドミントン協会

まず、「コーチ3」「コーチ4」の養成講習会は、バドミントンの場合ほぼ毎年開催される。

「コーチ3」「コーチ4」については、他の競技(野球、サッカー、水泳、卓球、柔道など)の指導者と一緒に「共通科目」の養成講習会を受講することになる。「コーチ3」の有資格者に聞いた話だと、他競技の指導者とグループワークなどに取り組むことができる機会はかなり刺激的なんだそう。

その後、別の日にバドミントンの指導者だけで「専門科目」の養成講習会を受講することになる。日程の運が良ければ、味の素ナショナルトレーニングセンターで受講することができる。専門科目の養成講習会自体が3-4日間の日程で組まれているので、サラリーマンなどは有給休暇を消化しながらの受講となる人も多いんだとか。

一方で、「コーチ1」「コーチ2」の養成講習会は、あまり頻繁に開催されていないということは、知っておいてほしい。

その年に開催される養成講習会のスケジュールは、日本バドミントン協会の「ニュース一覧」から、「指導者」という欄を見ればだいたいの情報をつかむことができる。

詳細は以下の参考リンク先を見てほしいのだが、「コーチ1(公認指導員)」と「コーチ2(公認上級指導員)」の養成講習会が開催されている都道府県は、かなり少なかった。毎年平均しても、せいぜい10-15都道府県程度でしか実施されていない。

>参考:2019年度 養成講習会 スケジュール表

>参考:2018年度 養成講習会 スケジュール表

たとえば2018年度を見てみると、関東では東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で実施されている一方で、関西では奈良県でしか実施されていない。

大阪府や京都府といった関西圏の人が、2018年度にバドミントンの公認スポーツ指導者資格を取ろうと思ったら、奈良県で受講したり、少し遠出して愛知県で受講したりしなければならないのだ。

バドミントン界において、ピラミッドの土台となる底辺部分を支える「コーチ1」「コーチ2」の養成講習会の開催状況がこんなに少なくては、バドミントンの公認コーチがたくさん育つことなんて望むべくもない。日バの偉い人、なんとかしてーー!!!

必要な費用はどのぐらい?

バドミントンの公認コーチ資格を取得する場合、必要な費用はだいたいこのぐらい。

  • 受講料:3-4万円ほど
  • 登録料:2万円ほど

もう少し詳しく内訳を見ていくと、こうなる。

 受講料登録料+初期登録手数料
コーチ133,800円+教材費14,000円+3,000円
コーチ229,000円+教材費14,000円+3,000円
コーチ333,000円+教材費16,000円+3,000円
コーチ447,000円+教材費16,000円+3,000円

※表出典:日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格概要|日本スポーツ協会資格登録料について|日本スポーツ協会などを参考に作成

「コーチ1」「コーチ2」の場合、教材として使うのは『バドミントンの指導理論1』『バドミントンの歴史に学ぶ』の2冊なので、教材費は3,000円ほどだと思っておけばいいでしょう。

わたしは受けたことないのでわからないんだけど、「コーチ3」「コーチ4」でも、教材費はそんなに変わらないと思います。

一度資格を取得してしまえば、あとは資格を更新するだけ。資格の更新は4年ごとに発生し、登録費用は「コーチ1」「コーチ2」なら14,000円/4年、「コーチ3」「コーチ4」が16,000円/4年 となる。

>参考:公認スポーツ指導者登録料(4年分)一覧|日本スポーツ協会

試験って難しいの?

わたしが受けたバドミントンの公認コーチの試験問題は、めっちゃ簡単でしたw

今後、合格ラインがもう少し厳格になるかもしれない…という話もチラッと耳にしたんだけど、試験問題自体は受講した内容そのままだった。

試験はすべて4択問題で、合格ラインは6割(50問中30問正解すればOK)。講習しっかり参加して、自分なりに目的意識持ってやってればそんなにハードルは高くない。

おそらく、講義する人と作問する人が同じなんだと思うんですが「ここ出るよ」って言ってたところがそのまま出て笑ったww

受講してみてどうだった?

めっちゃ勉強になりました。わたしが受講した県の養成講習会は某大学の教授さんが担当してくれていて、どれもこれもおもしろい(interestingな)ものでした。いまからでもその大学に入学して研究室に入りたいレベル。

また、いろんなカテゴリーの指導に携わっている人がいて、とても世界が広がったなあと思える瞬間でしたね。話聞いてるだけでもおもしろい。

  • 小中学生のジュニアのコーチ
  • 中学や高校の部活動の顧問
  • レディース連盟のお偉いさん
  • 中高年やシニアのコーチ

…などなど!!

わたしはただ単に好きが昂じて受講しただけだったけれど、バドミントンの指導に携わっている人なら、ぜひ公認スポーツ指導者資格の養成講習会を受講してみてほしい。

こどもの指導をしたり、「レッスンプロ」のような生き方をしたり、バドミントンの講習会の講師として招かれたり…、といった立場の人なら受ける価値は大いにあるはず。

そういう人は、ただ単に「公認の資格を持っている」ってだけでも、講習会の受講者や、スクールの講師を探している施設の関係者さんは安心できるだろうし、スムーズに仕事がしやすくなることは容易に予想がつく。

もちろん、理論を改めて学ぶことで得るものもたくさんあるはず。

やっぱり「自分の経験+理論による基礎づけ」が、指導者としては最強でしょう!!

バドミントンはプレーが年々かわってきているから、自分の経験にすがっているだけじゃダメだと思うし、かといって理論だけの頭でっかちじゃプレーヤーに響く指導はできないと思うので…。

このページでさらに疑問が湧いた人は、Twitterやコメント欄で反応をくださいませ。自分にできる範囲で対応させてもらいますb

2 COMMENTS

アバター もきち

こんにちは
コーチ1を取得しようと考えている自分にはとてもタイムリーな記事でとても参考になりました!
ちょっと疑問があるのですが、
専門科目の養成講座?は何日分受けることになるのでしょうか?20時間以上とありますが、一日何時間あるのか、開催日全て受講しなければならないのか教えてほしいです。

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スカラー スカラー

>もきち さん

コメントありがとうございます!
このサイトの運営をはじめて第1号のコメントなので嬉しいです!!
また、参考になったようでよかったです(^^)/

>一日何時間あるのか
専門科目における「20時間以上」の割り振りは、おそらく県の裁量に委ねられているのだと思います。2日で実施すると1日あたり10時間以上の受講というハードスケジュールになるので、現実的には3日以上かけて実施するでしょう。数年前にわたしが「コーチ2」を受講したときは専門科目を21時間(現在は40時間)受講しなければなりませんでしたが、当時の資料を確認すると 7時間, 8時間, 6時間 という3日間の構成で21時間分を実施していました。すべて日曜と祝日に実施されていましたね。

>開催日全て受講しなければならないのか
原則としては、開講日全て受講しなければならないはずです。コーチ1受講の手引きには明記されていないため判断が難しいところですが、欠席があると専門科目の検定試験に合格しても「修了」とはならないものと考えておいたほうがいいでしょう。また、わたしが受講したときは専門科目の最終日には専門科目の検定試験が実施されたので、いずれにしてもこの日に欠席するとアウトですね。やむを得ず欠席せざるをえないことがわかっている場合は、申し込みの前に主催団体の担当者に問い合わせてみて判断を仰ぐしかないと思います(※主催団体によりますが、6月中に申し込みの締切日が設定されていることが多いので、問い合わせは早めのほうがいいでしょう)。

2点目へのお答えは断定できない部分があって心苦しいのですが、わたしからお伝えできることはこれぐらいです。

また何かあればコメントいただければと思います!

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